001 日本の精神医療の現状

このブログの初めの数回は、私が RAPTブログの有料記事 <https://rapt-neo.com/?page_id=30947> を読み始めるまでの経緯を書く予定です。

 

このブログの初回では、私の体験に基づいて、日本の精神科・心療内科の現状を書いてみます。

 


 

『精神科』と『心療内科』は厳密には区別されていますが、最近では精神科と心療内科の区別は曖昧になりつつあるようです。

 

ちなみに、心療内科の『心療』とは『心理療法』の省略形だそうです。心理療法とは、ストレス・その他、精神的なきっかけで心身の調子が優れない人に対して行う、対話やカウンセリングなどによる治療方法のことです。

 

この『心理療法』に対し、薬を処方して治療する(いわば通常の)治療方法は『薬物療法』と呼ばれます。

 

心療内科は建前上、カウンセリングを伴う内科ということになります。もっとも、精神科でも心理療法は行われていると思いますが。

 

また、病院によっては精神科と心療内科がひとつにまとめられていることもあります。病院の医師の名札に『精神科・心療内科』と書かれているようなケースです。

 

以上のことから、今回の記事では、便宜上『精神科』と『心療内科』の両方の言葉を用いて話を進めていきます。

 


 

私が初めて心療内科に行ったのは、高校3年生の夏休みです。西暦2000年、平成12年のことです。

 

その年の4月、高校3年生に上がる春休み頃から、体のだるさや頭痛、不眠などの症状が急に出てきて、また軽いうつ状態も生じて、学校を休みがちになりました。

 

もともと寝付きが悪いことはありましたし、高校に上がってからは勉強量が異常に多く、睡眠時間を思うようにとれていなかったのは、高校3年生に上がるよりも前からのことでした。

 

しかしそれでも、高校3年生に上がるタイミングで特別なストレスや悩みが生じた訳ではないにもかかわらず、なぜその時期に急に心身の調子が悪くなったのかは、今でもわかません。

 

 

高校3年生の1学期に、学校を早退したり欠席したりすることが増えて、夏休みに病院に通い始めました。初めに、自宅の近くにある総合病院の内科で一通り健康診断をし、すぐに同じ病院内の心療内科へ回されました。

 

その頃は、寝る前に睡眠導入剤として『デパス 0.5mg錠』という薬を1日1回1錠 処方されただけで、他の精神科医に言わせれば『少なすぎる』処方でした。初めのうちは、『デパス 0.5mg錠』を寝る前に飲んで それなりに効果がありましたが、次第に効き目が悪くなりました。

 

その後、同じ年の秋頃に、抗うつ剤の『デプロメール 25mg錠』を1日2回分ほど処方された記憶がありますが、2ヶ月ほどで、その薬は特に説明もないまま処方されなくなり、同時に『デパス 0.5mg錠』は効き目が弱い『リーゼ 10mg錠』に変更されました。薬を多く出せば良いというものではありませんが、この時の担当医は薬をすぐに減らす傾向があり、少しも良くなりませんでした。

 

高校を卒業後、大学進学前に1年間浪人をし、その間は病院に行くことはなく、大学に上がった年も病院に行くことはありませんでした。浪人していた年と大学の1年目は、高校3年生の時のような症状は軽く、病院に行くほどではなかったからです。

 

しかし、大学の2年目に入って間もない頃、2003年の前半に、不眠などの症状が悪化したため、大学のすぐ近くにあった、心療内科のクリニックに通い始めました。この時に通っていた医院がくせものでした。

 

冒頭で『心療内科は建前上、カウンセリングを伴う内科』と書いた通り、心療内科では、医師が患者の生活のこと・仕事のことなどを聞きながら、ストレスの原因を探ったり、薬のほかに生活の中で対処できる方法がないか考えたりするため、ほとんどの病院が予約制をとっています。それも、初診の場合は30分は枠を設けるのが普通です。

 

しかし、2003年の前半に私が通い始めた医院は予約制ではなく、診療時間が始まってすぐに待合室は患者で埋め尽くされ、いざ自分の番が来て診察室に入っても、医師は他の患者のカルテを机の上に広げて、妙に急がしそうにしていました。毎回、診察時間は5分程度でした。

 

そのうえ、当時 既に『鬱の治療としては用いないほうが良い』と言われていた、覚醒剤リタリン』まで処方されました。インターネットで調べたところ、リタリンは主に、多動症の子供に適用されており、うつ状態の患者には適さないという意見が目立ちました。実際、覚醒作用があるので、飲んですぐは頭が冴えて、精神状態も何となくプラスにはなるのですが、効き目が3時間ほどしか持たず、効き目が切れると途方もない眠気に襲われます。

 

その病院は、診察も処方もいい加減すぎて、行ったり行かなかったりを2年ほどの間 繰り返し、大学4年目以降はその病院には行っていません。

 

それ以来、いくつかの病院を転々とし、『レキソタン』や『セパゾン』などの抗不安薬と『プロチアデン』などの抗うつ剤を長期間 服用していました。しかし、症状が良くなることはなく、また、治るまでにどの程度の期間を要するのかといった説明が医師からはなく、薬そのものを処方通りに飲まないようになり、最終的に 2014年以降は病院には一切 行かなくなりました。

 

長期間、不眠や頭重などの症状を抱えたままだったのですが、一生 治らないだろうと諦めつつ、病院には行かなくなりました。

 

先ほど、治るまでにどの程度の期間を要するのか、医師からの説明がなかったと書きましたが、これは精神科医がわざと説明を怠っているのではなく、どれほどの期間で治るか、医師にも分からないからです。

 

中には、抗うつ剤は一生飲み続けなければいけないと言う医者もいるそうです。こういった絶望的な話を聞いているうちに、心療内科であれ精神科であれ、医師に頼っても何も変わらないと思うようになりました。実際、精神科医は、根本的に治している訳ではないのです。目の前の患者が、どれほどの期間で良くなるのかなど、分かってもいないのです。

 


 

ここまで、私の体験を時系列に沿って書いてみました。そして、一連の体験を通じて今 思うのは、精神医療は宛てにならないということです。

 

次回以降の記事も、しばらくは私の体験に基づいた話を中心に書く予定です。